カナダの木材サイズについて
ノミナル寸法とアクチャル寸法
一般的な木材サイズには、ノミナル寸法とアクチャル寸法の2つがあります。
ノミナル寸法(公称寸法 / Nominal):業界の慣用として使用しているサイズ
アクチャル寸法(実寸法 / Actual):実際に計ったサイズ
ノミナルとアクチュアルの使い分け
実際のサイズとの違い
ツーバイ住宅に使用されるディメンションランバーは、サイズが材厚 2インチ、材幅 4インチ~12インチまでの偶数インチ(2インチとび)SPF乾燥材を指します。
例えば、2×4材(JASによる寸法形式204)は、2インチx 4インチの材サイズを公称(呼称)サイズで呼びますが、実際のサイズは、1-1/2インチ x3-1/2インチになり、一般的な呼称サイズと実寸法とは異なります。
これは、決して歩切れ(ぶぎれ:量(寸法)をごまかして多く見せかけること)ではなく、カナダNLGA格付け検査規格(NLGAルール)等で呼称寸法と実寸法を厳しく既定し、実寸法に関しては一切歩切れを認めないという厳しい規格を持つサイズ形体になっています。
この面倒とも思われる 2つの公称(呼称)寸法と実寸法は、製材所で粗挽き材(グリーン材)を供給、木材を使用する側がカンナ掛けをして表面仕上げをしていたという経緯がありましたが、近年、構造材をKD(乾燥)材とする事や、これら「乾燥+表面仕上げ」を全て製材所で行うようになり、実寸法や仕上げが異なることから、呼称寸法で統一するようになりました。
KD材とGRN材
下記の表 『北米材の公称寸法と実寸法の違い』 は、現在流通している表面仕上げした一般的なKD(乾燥)材のサイズ違いを示した表です。この呼称寸法はそう呼ばれるだけでなく、原木を製材した 直後の粗挽き材のサイズです。
これをグリーン(GRN)材と呼び、<人工乾燥の行程~カンナ掛け(S4S / S2S)>の行程を経て、表右側の実寸法になります。
人工乾燥の行程で、木材は乾燥する事で収縮し、鉋の切削とプレナーのロスで最終的に実寸法にな ります。
表中の寸法は、あくまで<人工乾燥~カンナ掛け>をした時の一般的なサイズを表示しており、場合によっては、グリーン材を人工乾燥させず、そのままプレナー掛けする場合(この場合、SPF2x4材は、実寸法で、1-9/16 インチ x 3-9/16インチになる)や、人工乾燥させて仕上げないでそのまま出荷する場合もあります。さまざまなケースがある為、発注時には呼称寸法だけでなく、希望する実寸法を同時に伝えることが重要です。
北米材の公称寸法と実寸法の違い
木材厚 | 木材幅 | 長さについて | |||
公称寸法(Nominal) | 実寸法(Actual) | 公称寸法(Nominal) | 実寸法(Actual) | ft | mm |
1″ | 3/4″ | 2″ | 1-1/2″ | 4 | 1,220mm |
25mm | 19mm | 51mm | 38mm | 6 | 1,829mm |
4/4″ | 7/8″, 15/16″ | 3″ | 2-1/2″ | 8 | 2,438mm |
25mm | 22mm, 24mm | 76mm | 64mm | 10 | 3,048mm |
5/4″ | 1-1/4″, 1-5/16″, 1-5/32″ | 4″ | 3-1/2″ | 12 | 3,658mm |
32mm | 32mm, 33mm, 29mm | 102mm | 89mm | 14 | 4,267mm |
2″ | 1-1/2″ | 6″ | 5-1/2″ | 16 | 4,877mm |
51mm | 38mm | 152mm | 140mm | ||
4″ | 3-1/2″ | 8″ | 7-1/4″ | ||
102mm | 89mm | 203mm | 184mm | ||
6″ | 5-1/2″ | 10″ | 9-1/4″ | ||
152mm | 140mm | 254mm | 235mm | ||
** 黄色-インチ(inch) ** | 12″ | 11-1/4″ | |||
** 緑色-ミリメートル(mm) ** | 305mm | 286mm |
容積について
CBMとFBM
木材の材積を表す際に、日本ではCBM(Cubic Meter/立方メートル)を使用しますが、北米の製材材積計算は、ボードメジャー(Feet Board Measure)という単位を使用しておりFBMで表します。
これは、縦:1’(フィート) x 横:1’(フィート) x 厚さ:1″(インチ) = 1FBMと既定したものです。(*1,000 FBM = 1MFBMと表し、通常MFBM単位で取引)
製材が未乾燥材(GRN:グリーン材)でも乾燥材(KD)でも同じ材積として取引きでき、簡略化することができます。但し、この材積表示はあくまで公称寸法(ノミナル)による材積ですので、実際のコンテナ積載容量や日本の材積計算に換算する必要があるので注意が必要です。
ちなみに、コンテナへの実材積ベースでは、1MFBM = 2.36CBMとなり、20ftコンテナ積載で約12,000FBM、40ftコンテナで約24,000FBMの積載が可能となります。