花曇り

二十四節気の第五・清明 (4月4日)と第六・穀雨(4月20日)の頃でしょうか。 あと1ヶ月もすると暦では立夏(5月5日)になりますから、夏もすぐそこまで来ているのですね。
この『穀雨』は”穀物を育む春の雨が降る頃”という意味だそうですが、この頃から徐々に降雨量が増え、農夫が田植えをする美しい田園風景が見られる季節でもあるのです。

四季とお酒

最近、日本酒の『ペアリング』『マリアージュ』という言葉をよく聞かれませんか? これは日本酒と相性の良い食材や料理の組み合わせのことを言います。日本酒を食中酒として楽しむ時、その酒質で料理をさらに美味しく引き立たせ、また料理の献立によって酒が美味しく感じる組み合わせもまたあるのです。お客様方から料理に合わせたお酒の選び方をよく聞かれるのですが、その時よくお答えするのが、その季節の料理に合わせた日本酒を選ばれることをお薦めしています。

酒造りはお米の収穫後、晩秋から冬にかけて始まりますが、この季節では『あらばしり』『しぼりたて』などが楽しめます。薄く白濁しているものや、フレッシュな微炭酸で爽やかなお酒があります。

春、2〜3月は梅が開花する桃の節句、4月は桜の季節、お花見でお酒を頂く時は、純米酒などを『ぬる燗』にしてお米の香りを楽しみながら花を愛でるのも粋ですね。夏は火入れをしていない『生酒』や『吟醸酒』を冷やして飲むのが美味しいですし、『生貯蔵原酒』をロックで楽しむのも良いですよ。秋になると、深みのある落ち着いた味わいが楽しめる『ひやおろし』がお薦めです。

このように、季節で楽しめるお酒をその地元の最も旬で美味しい野菜や魚に単純に合わせるのが一番良いペアリングとなります。ぜひお試しください。

では一献献上!

(一献献上はカナダ・バンクーバー情報誌Oops!うっぷすで連載中です。)

sakeSakura