ホワイトパインについて
ホワイトパインは、その肌目の美しさからシルバーパインとも呼ばれ、バンクーバー島を含むカナダ南部から米国にかけて広く生息しています。
正式名称はウエスタン・ホワイトパインと呼ばれています。ポンデロサパインとほぼ同じ北米西海岸州で広く分布していますが、ホワイトパインは米国アイダホ州周辺を中心に広く森林帯が広がっているため、別名アイダホ・ホワイトパインとも呼ばれ親しまれています。
またカナダ東部オンタリオ州〜ケベック州から、米国の大西洋各州にも分布しており、イースタン・ホワイトパインとして流通しています。学術的には同じ樹種ですが、環境の違いからウエスタン・ホワイトパインより木肌が白濁しています。イギリスでは、このイースタンホワイトパインのことを ”Quebec Yellow” と呼び、パイン家具の愛称として長く親しまれてきました。
余談ですが、90年代頃からイギリスからアンティーク家具が日本へたくさん輸入されてきましたが、その多くはカナダ産のイースタン・ホワイトパイン材使用したものでした。
木肌の美しいホワイトパインの特徴
ウエスタン・ホワイトパインは、肌目の美しさからシルバーパインとも呼ばれていますが、その特徴として芯材から辺材にかけて美しいきめの細かい淡赤色(ピンク色)をしており、その芳香はほのかに甘いと言われています。
他の主要パイン樹種のポンデロサパイン、シュガーパイン、ロッジポールパインに比べて木肌の印象がやさしく、パインコーン(松ぼっくり)が長いのが特徴です。
一般的に市場で流通しているのは、ステアリング等級(No.2コモン等級と同等)、もしくは、コロニアル等級(No.1コモン等級と同等)で、一般的に高価に売買されています。
SPF材、ロッジポールパイン、そしてポンデロサパイン材などは北米のホームセンター店でも見かけることができますが、このウエスタン・ホワイトパイン材は一般消費者市場ではあまり見かけることはありません。
ホワイトパイン材の用途
ホワイトパインは、加工性が非常に優れており、家具、建具職人に好んで使用されています。木目はポンデロサパインよりややはっきりとし、芯材に向かっていくにしたがって赤褐色が増し、その変化がパイン材の独特な風合いになっています。
北米では北米の高級スキーリゾートホテルの家具、建具などに使用されているのを見かけますが、その他内装用パネル、木工品、窓の部材等にも広く用いられています。