10月・曼珠沙華
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、秋分の日(2020年9月22日)を過ぎれば、残暑も峠を越し朝晩すっかり肌寒くなります。
そして秋の彩りが一斉に華やかに目に映ります。田んぼの畔道には彼岸花、秋晴れの空にアキアカネ(赤蜻蛉)が忙し気に飛び交っています。
そして豊かに稔った稲穂が、秋晴れの太陽の光を受けて美しく黄金色に輝き出します。いよいよ稲刈りの季節ですね。
日本酒紹介
今月号もBC州でお薦めの日本酒をご紹介していきます。
今回は九州熊本県の老舗酒蔵 「瑞鷹」の日本酒をご紹介します。瑞鷹は九州地方で早くから日本酒造りを始めた歴史ある酒蔵です。
土地柄、焼酎造りも有名ですが、日本酒好きにはたまらない呑み応えのある酒造りが特徴です。商品情報・購入可能店舗だけでなく、相性が良い料理や飲み方もなども併せてご説明します。
芳醇純米酒・瑞鷹(ずいよう)
九州の名門瑞鷹株式会社の代表的な純米酒です。阿蘇を源流とする豊かな伏流水と温和な熊本平地が育てる自然豊かな酒造米、そして熊本で生まれた熊本酵母が醸す芳醇な日本酒。比較的高い酸度(1.5)と高い日本酒度(+5)のため、口に含むと芳醇な熊本米の旨さが広がりまろやかに感じますが、実はかなりの辛口です。
醤油を多く使った味の濃い日本料理や中華料理に良く合います。またBBQなどの肉料理との相性も良いのでぜひお試しください。熱燗が好きな方は、人肌よりも少し高めの温度40〜45度でお召し上がり下さい。
秋冷の夕べ、農夫はひとり冬の新酒仕込みに想いを馳せながら、田の神に収穫を感謝します。人肌の燗酒は疲れた農夫の身体を静かに癒していきます。そして、ほのかにお米の香り立つ燗酒が農夫の身体をやさしく包み込んでいくのです。農夫はいつしか手枕で静かに寝息を立てるのです。
さあ新しい酒造りも間近です。天の恵みと美しい季節に感謝しつつ、一献献上!
(一献献上はカナダ・バンクーバー情報誌Oops!うっぷすで連載中です。)