四季とお酒 『秋編』

秋本番です。ここカナダ・バンクーバーもスタンレー公園の木々が綺麗に色づいています。収穫の秋、食欲の秋、皆さんはどんな秋を楽しんでおられますか? 今回は秋に収穫され、酒造りにとって大変重要な『酒米』についてお話をしていきます。

酒米

日本酒は、、そしてを主な原料として醸造されています。主原料である酒米は、一般に酒造好適米、または醸造用玄米と呼ばれています。一般にうるち米(食米)とは区別され、特上から特等、1〜3等、等外まで6段階に規格分類されています。また心白米と呼ばれることもあるのは、心白発現率が80%以上とされ、中心部分に白く浮き出たデンプンから成っている心白と呼ばれる部分があるからです。

うるち米はこの心白が一般的に非常に少なく、米粒や稲の背丈の違いだけでなく、この心白の発現率の違いが酒米とうるち米の大きな違いとも言えます。この心白が酒造りに重要な役割を果たすわけですが、現在は栽培技術が進み、うるち米も醸造用として使用されることが多くなってきました。

酒造好適米は全国各地に約30種類ほどあります。有名な酒米として山田錦、美山錦、雄町、五百万石、出羽燦々、玉榮などが挙げられます。酒蔵はこれらの中から、目指す日本酒に適した酒米を慎重に選んで丹精込めて新酒を醸造していくのです。

秋に稲穂が稔り、農夫が収穫をする。蔵人は自然の恵みに感謝しつつ、新酒の仕込みを始めます。秋から蔵人はひたすらお酒に向き合い、ひと冬を越します。皆さん日本酒が美味しい季節です。

では一献献上!

(一献献上はカナダ・バンクーバー情報誌Oops!うっぷすで連載中です。)

sake rice