CLT構造のオフィスビル
クロス・ラミネーティッド・ティンバー : Cross-Laminated-Timber
MSL社の防音製品が、CLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー: Cross-Laminated-Timber)建築構造を用いたケベック州ミラベル市のオフィスビルに使用されました。
最近日本でも注目されているCLT構造とは、ひき板(ラミナ)を直交で組み合わせ積層接着し、板の層を互いの層が互いをおさえ合う厚型のパネルを使用する構造です。
従来使用されている集成材は、板の繊維方向が平行になるように張り合わされていますが、CLTパネルは板の繊維を直交するように張り合わせるため、収縮が少なく、強度も高くその強度はコンクリートのそれに匹敵すると言われています。このCLT構造は、施工現場でコンクリートが固まる時間などを考慮する必要もないので、施工期間が短縮できるという利点があります。
CLT構造のオフィスビル。
州立大学(UBC)の学生寮
森林資源の豊富なカナダは、常に木造建築のパイオニア的な存在で、最近では世界初となるCLT構造の木造18階建高層ビルで注目されました。
この建物は、学習や生活スペースなども完備された400名以上の学生を収容できる、ブリティッシュ・コロンビア州立大学(UBC)の学生寮(Brock Commons Tallwood House)で、学生の健康と安全環境を確保するため研究され建設されました。
林業が盛んなカナダ・BC州ならでは、この建物で使用された全ての材木は、地元の製品を使用しています。木造高層ビルということで、防火対策については、国内外からの専門家の協力を得て設計・施工されました。あらゆる面で、学生生活を考慮した造りとなっています。
このトールウッドハウス学生寮の建設から学んだノウハウが、CLT構造の今後の研究やプロジェクト、政策や規制に活かされ、新しい木造高層建築の発展につながっていくことでしょう。
日本でのCLT構造建築
日本ではCLT構造の耐火性能が問題視されており、4階以上の建築物に使用されていませんでしたが、2018年に一般社団法人 日本CLT協会が、CLTを使用した外壁及び間仕切壁の2時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得したことで、防火面では階数に関係なく、 CLT構造の外壁を建物に使用することが可能となりました。
この大臣認定により、日本でもCLT構造を用いた中・高層ビルの建設が今後盛んになると予想されます。
SONOpanII と RefleXor
オフィスビルの防音
ミラベル・タワーでは、防音パネルSONOpanII(ソノパン・ツー)をエレベーター周辺の壁と床に施工しました。
防音メンブレンRefleXor(リフレクソー)は、隣接する部屋から部屋への防音効果を高めるために、オフィス部の壁に施工されました。リフレクソーは、建物の隙間などから漏れ出す音をしっかり遮音するのでので、単独で、またソノパン・ツーとの併用で、大きな防音効果が期待できます。
建築の構造や用途により適した防音材で総合的に防音対策をすることをお勧めしています。
SONOpro(ソノプロ)
ミラベルタワーのCLT構造の床には、SONOpanII(ソノパン・ツー)とSONOpro(ソノプロ)が使用されています。床にソノパン・ツーを施工後、その上にSONOpro(ソノプロ)が施工されました。耐水性のあるソノプロの上にコンクリートを流し込み、衝撃音に対応した防音対策をしています。
SONOpanII(ソノパン・ツー)施工後、SONOpro(ソノプロ)を施工している様子。
SONOpro(ソノプロ)を施工後、その上にコンクリートを流し込みます。耐水性防音シートのソノプロは、衝撃音吸収音響フェルトと高度ポリエチレン・フィルム(防水膜)を組み合わせて構成されており、水分や湿気を通しません。
防音材の施工の大切さ
周囲の環境や建築物の構造により音の伝わり方が異なります。騒音になる音をよく知り、環境や建物の構造体を理解して正しい防音材選びたいものです。
MSL社では各防音材の販売だけでなく、正しい施工につてのアドバイスもしています。高性能の防音材を現場で正しく施工することが大切です。