8月・夏の課題

 5月の『一献献上』の休刊から4か月が経過しました。新型コロナ肺炎感染拡大で、世界中で多くの方々が犠牲になり、我々の日常生活にも大きな影響を及ぼしています。

我々のアルコール業界でも、リカーストアはオープンしているものの、飲食店などはソーシャルディスタンスや店内の衛生管理が難しく大きな打撃を受けています。我々BC州日本酒協会のメンバーも「with/after コロナ」の苦境にどう立ち向かっていくかを模索中です。

日本酒紹介

 さて、今回もBC州で飲めるお薦めの日本酒を引き続きご紹介していきます。商品情報だけでなく、相性が良い料理や飲み方も合わせてご説明します。

真澄・純米吟醸 辛口生一本

 今回ご紹介する日本酒は、広大な自然に恵まれた信州諏訪、長野県の霧ヶ峰の麓で1662年から日本酒を醸している宮坂醸造純米吟醸・辛口生一本

透明感ある味わいを目指し製法の改良を重ね味わいを進化させ続けた真澄の看板商品の「黒ラベル」。辛口ながらも、信州の人の温かさを感じさせる柔らかな味も兼ね備えた上品な仕上がり。食材の素材を活かした山菜料理や野菜料理、また苦味のある魚などに合わせ冷酒・常温・燗酒でお楽しみください。

 8月初旬の立秋直前の「夏の土用」一年で最も厳しい夏の季節です。『暑さを凌ぐ(しのく)』ために、古来、日本人は色々と知恵を絞って、夏を楽しく健康に過ごしてきました。

 『凌ぐ』 とは本来 ”苦境や困難に屈しないで耐え忍ぶ。苦難を乗り越える” という意味です。例えば、この土用の頃、鰻を食して健康を保ち、『涼(りょう)を取る』は、猛暑でも知恵を絞り、暑さを凌ぐ事を昔から考えてきたのです。

私たちが現在立ち向かっている「with/after コロナ」では今までの常識や価値観は通用しなくなってきているのかもしれません。しかし我々日本人が持っている素晴らしい文化や考え方・知恵は、必ずこの 「with/after コロナ」の苦境を乗り越える凌ぐ知恵を見つけてくれると信じています。

どうぞ皆さん、暮々も健康で安全に今夏をお過ごし下さい。それでは皆さんの健康をお祈りして一献献上

(一献献上はカナダ・バンクーバー情報誌Oops!うっぷすで連載中です。)